ブルックス写真大学と私

アメリカ,大学,写真
大親友のスティーブ・ポーさんと。1987 年。 現在も写真家として活躍中。エドガー・ア ラン・ポー氏の末裔。

人生にはいろいろな原点がある。僕の写真の始まりは、カリフォルニア州サンタバーバラという町にある「ブルックス写真大学」に学んだことに始まる。
ブルックス写真大学には1983年の 2 月に入学。忘れもしない大洪水に見舞われた 2 月だった。当時アメリカ歴訪中だったイギリスのエリザベス女王が立ち往生してしまったことが、巷では一大ニュースとして報道されていた。個人的には、それより一大事だったのが、借りたばかりの家が水没したことである。入居して 1 ヶ月も経たないうちに引っ越すハメになった。
学校では、ポートレート学科を専攻し1986年に卒業した。学校で勉強したことはたくさんあるが、今となっては「変化する大切さ」を教えてもらった気がする。

2016年、そのブルックス写真大学が 70 年の歴史に幕を閉じた。写真技術に関しては、 全米でも指折りの専門大学だったので、一大ニュースとして報道された。学生数の減少が一番の理由だそうだ。しかも、その落ち込み加減は異常と言える。経営が悪かったのか、世の中が変わったのか、詳しいことは分からない。いずれにしてもカメラマンとしての職域に変化が表れたと考えるのが妥当だろう。その変化に学校がついて行けなかったのではないか。アメリカでは、少々技術が優れていている程度では仕事がない時代に突入している。専門分野なら大学院を卒業しないと職がない。 もしくは、働きながら、必要とされる人間力を磨くかのどちらかである。 母校として、とても残念である。

There’s big news that’s making waves in the world of photography education: the well-known photo school Brooks Institute has announced that it will be closing, ending a 70-year run. Brooks Institute had been struggling with declining enrollment, falling from 2,563 in 2005 to 350 students in 2016

アメリカ,写真
サンタバーバラの町並み。
海と山に囲まれたスペインに支配されていた町。
アメリカ,写真,建築
建築写真を撮影するためにあちらこちらに出張した。
アメリカ,写真,
1893 年に撮影したビーチチェアー。
僕のお気に入りの写真。