アクアパッツァ

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アクアパッツァ

一見凝ったように見えて実はシンプルで簡単な料理の一つ、アクアパッツァ。味付けは塩胡椒だけなのに、こんなにも美味しくなるのかと毎回作る度に自画自賛してしまう。魚も野菜もその時々で入れるものは違うのに、どうやっても美味しく仕上がる。

うだるような暑さの日が続くとついつい簡単な麺料理で食事を済ませてしまいがちになり、なんだかいまいち力が出ない。そんな時にスーパーでナスやズッキーニ等の色濃い夏食材が並んでいるのを見ると、野菜をもりもりと食べたくなる。旬のものには生命力がある。生命力溢れる食材を食べると色々足りていなかったエネルギーが補給され、身体がすっと満足するのを感じる。

アクアパッツァ

野菜をあれこれ買い物カゴに入れながらラタトゥイユ?バーニャカウダ?全部入れてカレー?と色々考えたが、タイミング良く鯛の切り身が安く売っていたのでよし、久しぶりに今夜はアクアパッツァしよう!とアサリとバゲット、オリーブも購入。

あさりを砂抜きし、鯛には塩胡椒を少々。野菜を一口大に、ニンニクをみじん切りにしたらもう準備は完了。

アクアパッツァ

たっぷりめのオリーブオイルにニンニクを入れて香りを移し、鯛を皮目から入れる。両面が焼けたら野菜とオリーブを投入。ざっと炒め合わせたら白ワインを回し入れて一煮立ち。水とアサリを入れてしばらく蒸し煮に。野菜と魚介がふつふつと煮えるにつれて、出汁がどんどん出てスープが徐々に色付いていくのが分かる。アサリもかなりの名脇役で、これが有るだけでコクがグッと深まる。アサリが開いたら塩胡椒で味を整えれば完成だ。

蓋を開けた瞬間にふわっと広がる魚介の良い香りで、一気に食欲が湧いてくる。魚介の出汁が染み出たスープがとにかく美味しい。煮込み時間は短いのに野菜にしっかりと味が染み込み、鯛の身もふわふわで柔らかい。スープを浸したバゲットと共にぱくぱく食べてしまう。さすがは元漁師飯。出汁いらずでこの深み。野菜もたくさん取れて大満足。

敢えて多めに作ったのは、その残りで翌日のお昼に最高のパスタを作る為。食べ切ってしまわないように気をつけよう。