「たった1着からのスタート」

今では写真館で衣装をレンタル するのは当たり前ですが、こんな エピソードがあったのです

仙台店がオープンして間も無い頃、社長から誘われて店舗を見学してきました。 仙台店は、ゆったりとした造りで撮影用の貸衣裳は他の店舗と同様にズラリと揃って並んでいました。
5歳男児の着物を見ながら、 ふと40 年ほど前のらかんスタジオの光景を思い出しました。

その当時の写真館には、貸衣裳の用意はありませんでした。「もちは餅屋」と言われるように「写真館」と「貸衣裳店」はそれぞれの領分がはっきりとしていました。ところがある時から貸衣裳店が写真を撮影するようになったのです。

 

その上、らかんのお客様 で衣裳を借りたいお客様を貸衣裳店に紹介すると、そのお客様の撮 影まで行い写真館のお客様を「まるごといただき」という状態に なりました。商道徳の無視を平然とやってのけるのです。

そこで 写真館も貸衣裳を揃えるようになりました。らかんでは手はじめに5歳男児の羽織袴を1着買いました。衣裳と着付けは無料で写真代は 9 月、10 月はサービス料金ですからお客様は大喜び。平日は 5 人くらい、土日は 10 人くらいと賑わいました。最初は私が 一人で着付けをこなしていましたが、そのうち徐々に着物が増え、着付けや美容の担当の方々が 選任するようになり現在の形 態になってきました。
らかんスタジオもあの「1 着 の貸衣裳」から始めたんだなぁと色とりどりに並んだ衣裳を前に隔世の感を覚えました。