アメリカ合衆国に行ってきました。

気温40度、湿度3%。太陽の下にいるとジリジリと暑い。6月ともなると最高気温が50度になる。しかし、5月はまだマシ。外は暑いが家の中にいるとちょうどいい感じだった。湿度が低いから汗も出ない。実際は出てもすぐに乾いてしまうのだ。今回訪れたのは、アリゾナ州フェニックスから車で40分ほどのところにある、人口21万人のスコッツデールという街だ。ちなみに宇都宮の人口は 55 万人、小山は11万 5 千人である。

となりの市、フェニックスは人口132万人、面積1,230㎢。スコッツデールを含めた都市圏で325万人と非常に大きな生活圏が存在する。栃木県全部で199 万人、面積が6,408㎢と考えると、いかにコンパクトなところにたくさん人がいることが分かる。栃木県の6 分の1の面積に、栃木県民の1.5倍の人が住んでいる計算になる。もっとも栃木県みたいに山はないので条件は違うのだが。

そのフェニックスには立派な美術館があり、見学してきた。ちょうど特別展示として日本の「Samurai 展」をやっていた。「別にここまで来て、日本の鎧や兜は見なくてもいいや」と思っていたが、あまりにも入口が立派だったので中に入ってみるとビックリ仰天。

アメリカ 侍 

アメリカ 侍

日本では見たことない保存状態の良いものがズラリと並んでいる。その数のおびただしいことに圧倒された。鎧兜(よろいかぶと)は古いもので13 世紀、多くは16世紀のものばかり。 つまり、江戸時代になる少し前の安土桃山時代が多かった印象を受けた。

その装飾たるや、これまたびっくり仰天。キレイな刺繍が施され、指の関節部分には細かな鎖で繋がっていて、 鉄の部分には細かな彫り物や細工がびっしりされている。当時、これを作る人がいて、そのデザインをする人がいたはずだ。

もちろん一人では着られないので着付け師もいただろうし、髪を結う人もいたはずである。それを 絵に書いて残した人もいる。何だか見ているうちに「100 年経っても色褪せない」どころか「500 年たっても色 褪せない」という事実に、腰を抜かしそうになった。

特に兜のデザインが面白い。こんなにデザインがあったなんて知らなかった。端午の節句の兜スタイルはほぼなかった。もしかすると面白いデザインや保存状態の良いものは、日本から海外に売られて、日本には残り物しかない気さえする。実際にこの展示は個人の収集家が1990年から集めたものである。日本の国宝級古美術品は、 今やボストン美術館や海外の個人収集家が持っているのが現実かもしれない。もちろん、それで良いと思う。な ぜなら、日本の古美術を愛して大切に保存しているのだから。

何かを収集する。とっても素晴らしいことだと思う。さて、オレも何か収集を始めるとするか!

 

アメリカ 侍