あなたの道徳観、文化的習慣は、今どき?

1930年エンパイアーステイトビル
1930年に初代らかんが撮影したエンパイアーステイトビル

あなたは、前から人が来た場合、左右どちらに避けますか?

最近の交通規制では自転車は車道を走ることになりました。つまり、自転車は、右側を走ったら逆走ですから、左側通行を義務づけられたと解釈できます。ところが、自動車の走っていない小道では、右側を走ってくる自転車も少なくありません。もっとビックリするのは、年配の方たちです。「日本では人は右側通行なんだ」と言わんばかり・・・さらに、細い道でも3人横並びで、前から来る人を避けない人が多いのです。若い人たちは左側通行で、細い道では1列にという意識を持った人が多くなってきたように感じます。

右側通行(日本と左右反対)のアメリカでは、人とすれ違うときは、右に避けるが基本です。
アメリカで育った人たちは、子供の頃に右に避けるように習うそうです。ところが、ネットで調べて見ると、アメリカでは「車は右、人は左」という考えも存在します。しかし、それは「車と人の場合」、つまり車が通る道を人が歩く場合であり、「人と人がすれ違う場合」は「右に避ける」が正しいとのこと。実際この前のニューヨークで意識していたのですが、皆さん右に避ける人ばかりでした。この「人と人がすれ違う場合」の考え方は、左右反対ではありますが、日本でも同じだそうです(左に避けるという考えが正しいそうです)。

さて、日本はとても清潔な国として、海外からの観光客にも驚かれると聞いています。実際、海外に行く機会が多い私から見ても、日本は清潔な国だと感じます。しかし、文化的習慣では「遅れているな」と感じることも多々あります。
上記の「人を避けるときは左に(または右に)」という道徳観は日本人にはありません。喫煙も同じくです。発がん性があると分かっているのに、飲食店での禁煙を義務づけないのは、国民の健康を無視した道徳的問題です。アメリカでは、30年も前から公の場では禁煙が当たり前になりました。当時、日本では、駅員が吸い殻だらけのホームを掃除するのが仕事の一部という時代です。ようやく、駅や新幹線でタバコが吸えなくなったのも、この5年ぐらいではないでしょうか。道徳観や習慣は国が違うと180度違うものもあります。

いっぽうアメリカでは、日本では違法なことも、最近、合法化したケースもあります。また古い話では、1920年代のアメリカは、酒類の製造販売が違法でした。日本では食事中のゲップやクチャクチャと噛む音は、美味しいという表現(舌鼓という言葉など)のひとつのように言われていました。しかし、いまどき人前でゲップをする人は見かけません。

このように、道徳観や文化的習慣は、時代と共に変化していきます。翻って、日本における「客としての意識」にも変化が求められていると思います。「大声を出す客」や「クレーマー化する客」は、道徳観や文化的習慣から犯罪者扱いになる日も近いと思います。なぜなら、アメリカではすでに大声を出しただけで、警官やセキュリティーにつまみ出されてしまうのが、当たり前になっているからです。日本がそうなるには、少々時間がかかるかもしれませんが・・・。

NYの木製エスカレーター
NYの老舗デパートでは木製エスカレーターが現役で動いてる
マンハッタン5番街
マンハッタン 5 番街 緑に照らされているエンパイアーステイトビルは竣工 1931年