
10年ほど前から、家でたこ焼きを焼く時の定番となったのがソースではなく醤油たこ焼き。こってりソースとはまた違った魅力があり、生地の甘みと具材の旨みをシンプルに感じられしみじみ美味しい。さっぱりしている分いくらでも食べられてしまう。
醤油たこ焼きに欠かせないのが牡蠣醤油と魚のだし粉だ。この二つを生地に入れることでタコの旨みと一緒に凝縮された魚介の美味しさが一口目から口に広がる。
もう一つ必ず登場するアイテムが南部鉄器のたこ焼き器。驚くほど重いけど、熱伝導率が良くムラなく外側がカリッと焼き上がり、もうこれを使ってからは電気タイプのたこ焼き器には戻れなくなってしまった。

あつあつの鉄板に生地を流し込み大きめにカットしたタコやネギ、だし粉を入れ、牡蠣醤油を注ぎ入れるとジュワー!と一気に焦げた醤油の香ばしい香りが立ち込める。焦げた醤油の匂いはどうしてこうも食欲をそそるのか。水を多めにサラサラに仕上げた生地をじっくり時間をかけながら焼いていく。この焼き上がりまでの時間が一番好きな時間。金串を片手に時々たこ焼きをコロコロ転がしながらうっとり見つめながら完成するのをワクワク待つ。

あつあつに焼き上がったたこ焼きは外がカリッと、中はとろとろ。シンプルが故に何個でも食べられてしまう。気がつけば今日も大量のたこ焼きが胃に吸い込まれていった。
