世界最小のパスタ、クスクス。ポロポロしたその独特な食感からちょっぴり敬遠されがちな存在。
そんなクスクスの魅力に気付いたのは以前カフェ勤めをしていた時で、そこでは中東系の料理を多く提供していたこともあり賄いにクスクスが登場する頻度が高かった。正直それまではなんだか食べにくいイメージで食わず嫌いしていたが、日々食べる内にじわじわとその虜になり、最終的にはライスがあっても自ら好んでクスクスを食べるくらいにはまっていた。一緒に食べる魚介や肉のエキスがすぐに染み込み、口に入れると小麦の風味も一緒に楽しめる。今日はふと思い立って当時のメニューを真似しつつクスクスに合う煮込み料理を作ってみた。
クスクスはその調理のしやすさも魅力の一つで、オリーブオイルとお湯をかけて数分蒸らすだけで食べられる。炭水化物は欲しいけどお米を研ぐのも麺を茹でるのも面倒臭い、そんな時の救世主でもある。サラダっぽく調理しても良いし、煮込み料理なら肉、魚、トマト系、クリーム系、どんな味付けでもマッチする。
今回は豚肉のスパイストマト煮込み。まずは刻んだにんにくと生姜、玉ねぎ、クミンシードを油で炒める。この香りだけで既に食欲が湧いてくる。下味を付けた豚肉も投入し全体に油が回ったら水、トマトピューレ、塩胡椒、途中でズッキーニや刻んだミントを入れてコトコト30分ほど煮込む。
クスクスはボウルに入れオリーブオイルを一回しと、パスタが被るくらいの熱湯を入れておくだけ。5分後、ラップを外すと湯気と共にふわっと小麦の良い香り。器にトマト煮込みと一緒に盛り付けたらスプーンで少しずつ混ぜ、味が染み込んだところを口に放り込んでいく。小さい粒々にぐんぐんスープが染み込み、食べるごとにじゅわっと美味しい。
クミンとミントのアクセントもパンチが効いてばっちりだ。しっかりおかわりもして大満足。
またクスクスブームが再来してしまいそうな予感だ。