100年の足跡 <6:小切手詐欺事件•••>

昭和55年頃、DPの取り扱いが多忙を極め、カメラ販売も順調に伸び店頭の品揃えも充実してきたある日、中年の紳士が店頭に現れ、「贈答品に使うカメラを数台現金で買いたい」と言ってきました。零細小売店としては嬉しい話なので指定のニコンやキャノンなどのカメラ6~7台を急いでまとめて烏山まで弟が配達しました。「支払いは現金ではなく先付け小切手だというがどうする」と弟から電話がありましたが、当時の私は勉強不足で手形や小切手の知識がなかったので多少の不安を抱きつつも「小切手でもいいよ」と言ってしまったのです。

しかし確認のため直ちに銀行に問い合わせたところ、手配されている不渡り小切手と分かりました。すぐ弟が事務所に押しかけて留守番の女性を問い詰めましたが、すでに品物はどこかに運ばれていてありません。警察にも届け手を尽くしましたが結局何も戻ることなく丸損してしまいました。

勉強賃としては高額で、大きなショックを受けました。後学のために恥を忍んで記しておきます。